「なぜ日本は、省エネ法や自主的に培ったエネルギーマネジメント手法と ISO 50001 をブレンドしてグローバル優位性を発揮しようとしないのでしょうか?」
海外からこのような声をたくさん聞きます。

現在世界で一番優位の立場にあると思われる日本エネルギーユーザ企業によるサスティナビリティ事業展開

省エネ法「管理標準」と ISO 50001 エネルギーマネジメントシステム(EnMS)の融合がグローバルにおける競争力を強化する。

日本は早くから省エネに取組み、省エネ法が施行され、エネルギーマネジメントは必然的・宿命的に日本エネルギーユーザの組織に浸透され世界からその優位性は一目置かれていました。そして、昨年 ISO 50001 エネルギーマネジメントシステム国際規格が発行され、日本の優位性をグローバルに示せる最大のチャンスが到来したと誰もが思っていました。
ところが、ISO 50001が発行されて1年半たった今、そのチャンスを生かす日本の企業が思ったほど多くない奇妙な現象が起こっています。
なぜでしょうか?
その一つは「ISO=認証」という思い込みが強いこと、そしてもう一つは省エネ法によるエネルギーマネジメントが技術面に頼る部分が多いことにあるように考えられます。優れたエネルギーユーザ企業は、早くからその点を認識し、エネルギーマネジメント運営において、省エネ法の不足部分を ISO 50001 で補い、ISO 50001 の不足部分を省エネ法で補い、グローバルに優位に展開できるエネルギーマネジメント運用を手掛けています。

省エネ法の強みは、判断基準をベースとした「管理標準」の確立です。その管理標準はエネルギーパフォーマンス改善への手順(著しいエネルギー使用設備単位)と記録の文書化を標準化し、判断基準をガイドラインとした管理手法を取り入れたものです。つまり、エネルギー管理者および設備担当者レベルが主体となった技術主導のエネルギーマネジメントです。ISO 50001は、企業のトップが責任者として事業運用の一環とした、組織全員が運用するエネルギーマネジメントシステムを要求しています。反面、ISO 50001は、エネルギーパフォーマンス改善を定量化評価する判断基準は存在しません。つまり、省エネ法の「管理標準」とISO 50001 の「管理標準」を融合したエネルギーマネジメントシステム確立し運用することにより、グローバルで最強の運用が展開できることになります。

「ISO=認証」という思い込み、「認証拒絶症」打開策: ISO 50001 「自己宣言」

「ISO=認証」という思い込み、「認証拒絶症」については、ISO 50001 EnMS 国際規格を実用面でどう利用できるかを認識する必要があります。 規格の「序文」で以下のように記述されています:

「This International Standard can be used for certification, registration and self-declaration of an organization's EnMS.(訳)認証、登録および組織のEnMS自己宣言をするために本国際規格を利用することができる」と明記されています。

さらに規格の第1章「適用範囲」では、以下のように記述されています。
「This International Standard is applicable to any organization wishing to ensure that it conforms to its stated energy policy and wishing to demonstrate this to others, such conformity being confirmed either by means of self-evaluation and self-declaration of conformity, or by certification of the energy management system by an external organization.(訳)この国際規格は、確立したエネルギー方針に確実に適合し、この事実を、『自己評価による適合性の自己宣言』または『第三者組織によるEnMSの認証』の手段で公開を希望する組織に適用する。」と明記されています。

つまり「認証」と肩を並べて、「ISO 50001適合」へ「自己宣言」がオプションの一つとして成り立っています。優秀なEnMS運用を自負するエネルギーユーザ企業は「ISO 50001適合自己宣言」をすればISO 50001企業として認知されるのです。ISO 50001 に関して、「ISO=認証」にこだわることが企業にとって戦略上本当に有意義なのかをレビューする必要があります。

ISO 50001 「自己宣言」へ、対象管理文書の確立の重要性

しかしながら、言うのは簡単で実際にISO 50001クラスの運用を実施し、「自己宣言」するには一つのハードルをクリアする項目があります。それは日本企業が不得手とするマネジメント運用の文書化です。省エネ法「管理標準」と ISO 50001 「管理標準」を統合したエネルギーマネジメントシステム運用に必要な文書化の構図を以下に示します。



エネルギーマネジメントシステム運用文書化の構図でおわかりのように、省エネ法「管理標準」の要求事項下では、すでに必要な手順書および記録文書類が完備されているはずです。ISO 50001 適合性をブレンドするには、経営層(トップマネジメント)および(2010年度改正省エネ法で指名を義務付けた)エネルギー管理統括者が先頭に立って管理する、エネルギーパフォーマンス改善(省エネ)によるサスティナビリティ事業展開を目的とするEnMS運用の施行に必要な管理文書に集約されます。 ISO 50001 の特長は、『P』計画(エネルギー使用状況把握(エネルギーレビュー)に基づいた活動計画の展開);その計画に沿った活動の『D』実施、活動内容の評価、レビュー、見直し『C』チェック、『A』改善行動の実行といった『PDCA』を取り入れた全員参加をベースとした実用的かつ効果的なエネルギーマネジメントを運用するガイドラインです。
その実用性を発揮する要因は、以下の通りです:

  1. トップによるEnMS運用実施宣言と指導性
  2. エネルギー方針の確立
  3. EnMS 運用組織の設立
  4. 組織に合ったエネルギーマネジメント運用のためのルールづくり(管理標準)
  5. エネルギーレビューの実施
  6. エネルギーパフォーマンス指標(EnPI)の特定とEnPIを単位とするペースライン、目標設定
  7. エネルギーパフォーマンス改善(ECO)項目の抽出」「目標を取り入れ、(ECO)項目によるエネルギーパフォーマンス改善を主体とした活動計画の確立と実施
  8. エネルギーモニタリングと収集データによる改善行動
  9. 技術・運用面の問題解決を含めた継続的改善活動
  10. 従業員の能力向上」「サスティナビリティ活動コミュニケーション
  11. 外部監査に勝る有効的な内部監査の計画の実施」「法令その他規定を遵守する仕組み
  12. 効率よいEnMS運用を確実にするための調達先との協力関係
  13. 優秀なマネジメント運用を継続する文書化
上記の要因を吟味すると、全ての面で、その要因をサポートする文書が必要であることがおわかりいただけるでしょう。事業にとって結果を出すEnMS運用を実施するには、泣いても笑っても最低の文書化が必要となります。ISO 50001 の要求項目ごとに中身を吟味すると必ず項目毎に関連する文書の必要性が存在することがわかります。
その一覧表「ISO 50001 要求事項の適合に対応する文書(ドキュメント)」を作成しましたので、ご興味がある方はぜひダウンロードして見て下さい。

「ISO 50001 要求事項の適合に対応する文書(ドキュメント)」一覧表ダウンロード

一覧表の内容をまとめると、ISO 50001適合するために12の主要管理文書が重要であることが一目瞭然となります。逆に、12の主要管理文書が確立されていない。それはサスティナビリティ(CSR)の観点から致命傷になりかねません。ISO50001に取り組まないリスクがいかに大きなものかをトップマネジメントは早くから認識しなければなりません。
EnMS-Doc アソシエーツが「M333J セットメニュー #101,『全12主要管理文書』」を提供している背景はそこにあります。

                                                             「M333J セットメニュー #101,『全12主要管理文書』」

提供する12管理文書は完成度が高く、エネルギーユーザ企業がすすめるEnMS運用へそのまま取り入れ、不必要な個所を削除するだけで組織に合ったISO 50001適合文書化が実現します。さらに、EnMS 管理標準は、省エネ法管理標準が採用する判断基準を取り込んでいますので、既存で利用されている運用・運転手順書や記録文書がそのままISO 50001文書として生きてきます。ぜひご利用下さい。

企業にとって、ISO 50001 自己宣言するメリット

さて、話をISO 50001 自己宣言に戻します。ISO 50001 EnMSと他のマネジメントシステムの大きな違いは、マネジメントシステム運用により、組織のエネルギーパフォーマンスを改善し、検証し、定量的に効果を評価するところにあります。ここが今までの監査活動ではカバーできない大きなポイントです。このポイントの内容を解釈するには、内部監査でしか正当評価できないかもしれません。つまり、ISO 50001の適合性を判断できるのは第三者監査員よりも事業内容を把握する自己判断が最適だと言われます。「ISO 50001 は、エネルギーユーザが監査員を監査する」という逆転の発想がささやかれる所以です。そして、サスティナビリティ事業展開を自ら公言する「自己宣言」の中身の濃さと重みは、「認証」より高く認識されることを ISO 50001 は可能にします。

エネルギーユーザの皆さま、主要12管理文書を確立され、ISO 50001 自己宣言のレベルを確保することをおすすめします。

 無料ダウンロード資料



"省エネ法「管理標準」と一つになるISO 50001 適合型エネルギーマネジメントシステム手引書(実用編)"
省エネ法とISO 50001をブレンドした「EnMS 管理標準」の構成と概要を紹介するプレゼンテーションです。
魅力あるモニタリングの世界へご案内します。


 



「ちょっと楽しいEnMS 監査の世界」へご案内します。
TEAM Sigma を使ってベストプラクティス メータ・データ分析技法による無駄の洗い出し と エネルギー効率改善。
1か月で組織が ISO 50001 「自己宣言」できる EnMS 運用を築き上げます。

 

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SEPで ISO 50001 の一歩先を行く米国 認証にこだわらず「実」を取る方向へ...
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  • 『マレーシア・エネルギーユーザ EnMS 運用「ISO 50001 自己宣言」同盟』の結成
(2) 「連携制御ガイドブック」解説...
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